与謝野町の行財政分析報告

与謝野創生会議は与謝野町行財政分析結果報告。

与謝野町の行ってきた事業内容と財政の現状について、与謝野町創生会議としての分析結果をご報告いたします。この分析は、平成26年から令和2年までの毎期与謝野町決算書に基づいており、あくまでも客観的に財政の数字を分析したにすぎず、個人的な意図は含んでおりません。

 与謝野町には平成28年当時、貯蓄されたお金が最大約60憶円ありましたが、令和3年現在約45憶円となり、極めて短い間に約15憶円を費消しています。

次に、町全体が抱えている借金について、町民1人あたりが抱えている借金は、平成28年当時、約110万円でしたが、令和3年現在約114万円と増加しています。金額だけみると、たかが4万円増えただけかと感じる方もいらっしゃるかと思います。しかし、借金は本来返済し、減っていくものです。それにも関わらず、借金が増えているということは、少子高齢化したこの町の人口比率により、高齢者への負担が重くなっていることを示しています。

与謝野町に居住している人口ですが、平成26年まで2万3,600人が暮らしていました。しかし、7年間で2,600人も激減し、2万1,000人まで人口が減っています。特に労働力人口と呼ばれる15歳から65歳未満までの人口は2,200人減少し、幼児・児童・生徒の0歳から15歳までの人口は750人減少しています。

次に、与謝野町を疲弊に至らしめた原因は全部で5つあると考えられます。1つ目は、「新規事業を行う際の総合計画・事業計画・実施計画に至る全体的構想と財政計画が無かったこと」です。2つ目は、「補助金や助成金など目の前の利益に目がくらみ、気ままな判断で計画を変え、突発的な事業を行ったこと」です。3つ目は、「民間の役割と行政の役割の区別について未だに、理解が出来ていないこと」です。4つ目は、「投資した計画そのものが間違っていた事」です。5つ目は、「町をより良くしようとするべき組織が機能していないこと」です。

実際に、与謝野町は7年間に12憶6,800万円を産業振興に投資しましたが、その成果を上げることが出来ず、投資したお金は泡となり、負の遺産を作りました。また、短期間に100憶4,900万円を建設事業に投資したことにより、現在はその借金返済に追われ、財政破綻状態の一要因となっています。そして、子育て制度の充実や先進的な制度設計にあてられるべき子育て支援予算は、こども園などの目に見える建造物の建設費用に費やされ、他の地域が行っている先進的サポートから遅れてしまいました。その遅れによって、幼児・児童・生徒数は750人と激減し、子育て・教育には向かない臨まれない町となり果てました。

与謝野町が抱えている解決すべき課題は、第1に「給食センター・衛生プラント・庁舎など最低限必要不可欠な建物の建設費が捻出困難であること」です。また、「3町合併時に重複することになった公共施設や現在空き家となっている小学校(岩屋小学校・与謝小学校)・保育園(岩屋保育園・与謝保育園・桑飼保育園・加悦保育園)の処分費及びそれまでの維持費が財政を圧迫している」ということがあります。第2に、「この町の財政が疲弊している中、行政の人件費は年々増加し、身を切ってでも財政を立て直そうとする人材、いわゆる改革のメスが存在しないこと」です。第3に「与謝野町には国から交付税として55憶円が支給されていますが、特例債等の借金返済も同時に行われるため、借金が減ると同時に交付税も減額となり、財源は減っていく一方です。また、与謝野町の税収入は18憶円程度にもかかわらず、行政の人件費に17憶円費やし、国からの交付税頼りになっており、ふるさと納税などの自主財源確保の政策を行ってこなかったため、財源の増加が見込めないこと」です。第4に「クアハウス岩滝・リフレかやの里・野田川ユースセンター・阿蘇霊照苑など指定管理施設について、当初の全体的構想よりも維持費・管理費がかかりすぎていること」です。これらは、委託をするのか、直営で行うのか、廃止にするのか早々に議論する必要があると、考えます。第5に「下水道施設建設工事の借金の返済と下水道施設の老朽化の修繕費が延々かかる一方で、人口減少に伴い、利用者から支払われる使用料が減り、返済と修繕費が賄えなくなる、いわゆる自転車操業状態となっていること」です。第6に「ごみ焼却処理場を新設したにも関わらず、年間の処理費用は毎年同様に4憶円かかっており、人口減少によりごみの量が減ってもかかる経費は変わっていないということ」です。

以上の原因及び分析結果に基づき、与謝野町は、既に財政破綻状態にあるといえます。借金を10憶円以下にしなければ、財政を正常化することは出来ません。しかし、現実問題として、貯蓄金の残りを切り崩し、予算にあてても、常にかかる経費の増加によって、それだけでは賄うことが出来ず、借金をするしか手立てがありません。この7年間で選挙の年のみ財政は、赤字ではないかのようにみせられてきましたが、それ以外の年は莫大な赤字を出しており、気ままな計画による財政運営が与謝野町を財政破綻へ導いた一要因と考えられます。

最後に、与謝野町の行財政再建を行うことが出来るのか検討してみましたので、こちらについても、ご報告いたします。現在実施の行財政の運営を続けると、近い将来、実質的に財政破綻します。既に破綻状態にあるため、もはや手遅れであるともいえるでしょう。

それでも、財政再建を行うのであれば、まず、正常に機能していない組織の立て直しをする必要があります。次に交付金・税収入が少なく、借金も出来ない財政運営のため、身を切ってでも、財政改革を行う確固たる意志と人件費にメスを入れることが必要です。そして、自分だけが生活しやすい環境であればというエゴイスト的な考え方を捨て、抜本的断捨離を行う覚悟と実施が必要です。この8年間を抹消して、1から与謝野町再建計画の策を練り、断固として実施していく集団と町民の理解があれば、時間がかかっても光はあるでしょう。そのためには、町民の方々にも現在の財政の状況について正確に理解していただき、財政再建のために関わり合ってほしいのです。もちろん、財政破綻状態にした現在の組織及び運営者らは責任を負う必要があります。しかし、与謝野町が財政破綻すると、町民の方々は、自己防衛しながら自力で生活を行うか、慣れ親しんだ町を捨て、別の市町村に転居をしなければならない可能性がでてきます。与謝野町を守るために、一人一人が考え、どのように動くのか、決断しなければならない時が来たと考えます。

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